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Samsung次世代技術:CES 2026アワード受賞のモジュール式SSDとLPDDR6が未来を切り開く

Samsung次世代技術:CES 2026アワード受賞のモジュール式SSDとLPDDR6が未来を切り開く

Samsung次世代技術:CES 2026アワード受賞のモジュール式SSDとLPDDR6が未来を切り開く
Samsung次世代技術:CES 2026アワード受賞のモジュール式SSDとLPDDR6が未来を切り開く

2026年1月に開催される世界最大級のテクノロジー見本市「CES」に先駆けて、その年のイノベーションを象徴する製品に贈られる「CES 2026 Innovation Awards」が発表されました。ガジェット業界の巨人であるSamsungは、今年も複数のカテゴリでその圧倒的な技術力を証明しました。特に注目すべきは、車載用途の概念を覆すモジュール式SSD「AM9C1 E1.A」、超小型ながら驚異的な速度を実現した「PM9E1 M.2 22×42」、そして次世代のオンデバイスAIを支える「LPDDR6」メモリです。これらの技術は、単なるスペックアップに留まらず、私たちの未来のデバイス体験を根本から変える可能性を秘めています。

CESイノベーションアワードの栄誉:Samsungが示す技術の方向性

CES Innovation Awardsは、毎年、製品のデザインとエンジニアリングにおいて特に優れた技術を選出する、業界で最も権威ある賞の一つです。ここで受賞することは、その技術が業界のトレンドをリードし、消費者の生活に大きな影響を与える可能性を秘めていることの証左となります。Samsungが今回、ストレージとメモリという基幹部品の複数カテゴリで受賞した事実は、同社がコンポーネントレベルで依然として業界の頂点に君臨していることを示しています。

私たちが日常的に触れるスマートフォンやPC、そして急速に進化する自動車に至るまで、その体験の質は内部の半導体によって決定づけられます。今回の受賞製品群は、Samsungが「より速く、より小さく、より効率的に、そしてより柔軟に」という、テクノロジーが直面する永遠の課題に対して、具体的な回答を用意していることを示しています。特に「モジュール式」や「超小型」といったキーワードは、これからのガジェット設計の自由度を飛躍的に高めるものとして期待されます。

AM9C1 E1.A:車載ストレージの「交換」という新常識

今回のアワードで最も注目を集めた製品の一つが、車載用SSD「AM9C1 E1.A」です。この製品の最大の特徴は、 に見られるような「モジュール式(Detachable)」設計を採用している点にあります。これは、これまで基板に直接はんだ付けされるBGAタイプが主流だった車載ストレージ市場において、まさに革命的なアプローチと言えるでしょう。

公開された概要によると、AM9C1はSamsungの第8世代V-NANDとPCIe Gen4 NVMeコントローラーを搭載しています。PCIe Gen4は現行のPC向けハイエンドSSDで広く採用されている規格であり、これを車載用に最適化してきた形です。しかし、真の革新はその構造にあります。NANDチップとSSDコントローラーを後から交換可能な設計になっているのです。

なぜ、車に「交換可能なSSD」が必要なのでしょうか。その答えは、現代の自動車が「ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)」、すなわちソフトウェアによって定義される乗り物へと急速に進化している点にあります。自動運転レベルの向上、インフォテインメントシステムのリッチコンテンツ化、OTA(Over-The-Air)による継続的な機能アップデート。これらはすべて、より大容量で高速なストレージを必要とします。

自動運転時代を見据えた「アップグレード」という価値

従来の車載ストレージは、一度搭載されると交換が極めて困難でした。しかし、AM9C1の登場により、例えば購入から5年が経過し、より高度な自動運転機能や新しい地図データが必要になった際、ストレージモジュールだけを最新のものに交換するという選択肢が生まれます。これは、スマートフォンのストレージを増設するような手軽さとは異なりますが、ディーラーや専門のサービスセンターでの対応を可能にし、車のライフサイクル全体で最新の体験を維持することに貢献します。

さらに、AM9C1は車載用として「衝撃・振動・温度変化に耐えられる高耐久設計」が施されています。自動車の内部は、夏場のダッシュボードで80℃を超えることもあれば、寒冷地では氷点下40℃にも達します。こうした過酷な環境下で、PCIe Gen4のパフォーマンスを維持しつつ、データを確実に保護する信頼性が求められます。AM9C1は、この厳しい要求に応えるために開発された、まさに次世代の車載ストレージソリューションなのです。

PM9E1 M.2 22×42:手のひらサイズに収まるPCIe 5.0の衝撃

次に紹介するのは、超小型SSD「PM9E1 M.2 22×42」です。ガジェット好き、特にUMPC(超小型PC)やハンドヘルドPC(Steam DeckやROG Allyなど)のカスタマイズに情熱を注ぐ人々にとって、この「2242」という数字は特別な意味を持ちます。これは、M.2スロットの物理的なサイズ(幅22mm、長さ42mm)を示しており、一般的なPCで使われる「2280」(長さ80mm)よりも遥かに小型です。

この小さな基板に、Samsungはとてつもない性能を詰め込んできました。アワードで公開された情報によれば、その速度は最大シーケンシャル読み込み速度14.8GB/s、最大シーケンシャル書き込み速度13.4GB/sに達します。この数値は、現行のPCIe 4.0 SSDのハイエンドモデル(約7.4GB/s)の実に2倍、そしてPCIe 5.0 SSDの現行最速クラス(約12GB/s~14GB/s)に匹敵、あるいは凌駕するものです。

この速度は、PCIe 5.0 x4インターフェースの理論値(約15.8GB/s)に迫るものであり、PM9E1がPCIe 5.0に対応していることは間違いありません。驚くべきは、このパフォーマンスを、発熱と消費電力の管理が極めて難しい2242という小型フォームファクタで実現したことです。これにより、これまでストレージ速度がボトルネックとなりがちだった薄型ノートPCやハンドヘルドPCで、デスクトップクラスの超高速ストレージ体験が可能になります。

V8 TLC V-NANDと「Presto」コントローラーの力

この驚異的なパフォーマンスは、概要で言及されている2つの基幹技術によって支えられています。一つは「V8 TLC V-NAND」、つまり第8世代のV-NANDフラッシュメモリです。SamsungはNANDメモリを垂直方向に積み重ねる3D NAND技術のパイオニアであり、第8世代では230層を超える積層化を実現しています。これにより、小さなチップ面積に大容量と高速なデータ転送(Toggle DDR 5.0インターフェースで最大2.4Gbps)を両立させています。

もう一つの鍵が、Samsung独自のSSDコントローラー「Presto」です。SSDの性能は、NANDメモリの品質だけでなく、データを読み書きし、エラー訂正を行う「頭脳」であるコントローラーに大きく依存します。PM9E1が2242サイズで14.8GB/sという速度を達成できたのは、この「Presto」コントローラーがPCIe 5.0の膨大なデータ帯域を効率的に処理し、同時に発熱を高度に制御できる設計になっているからに他なりません。SamsungがNANDとコントローラーの両方を自社開発する、垂直統合の強みが見事に発揮された結果と言えるでしょう。

LPDDR6:オンデバイスAI時代を拓く次世代メモリ

ストレージと並んでCESアワードを受賞したのが、次世代のモバイルDRAM規格「LPDDR6」です。現代のスマートフォンの性能は、SoC(System-on-a-Chip)の処理能力だけでなく、SoCとデータをやり取りするメモリの速度に大きく左右されます。特に、Galaxy AIに代表される「オンデバイスAI」は、クラウドを介さずデバイス上でAI推論を行うため、超高速かつ低遅延なメモリを必要とします。

発表によると、SamsungのLPDDR6メモリは12nmプロセスで製造され、通信速度は最大10.7Gbpsに達します。これは、現行のハイエンド規格であるLPDDR5X(最大8.5Gbpsや9.6Gbps)を大幅に上回る速度です。この速度向上により、例えば、より複雑なAIモデルをデバイス上で実行したり、4K/8K動画の編集や高精細なAR(拡張現実)コンテンツを、よりスムーズに処理したりすることが可能になります。

注目すべき「電力効率21%向上」の恩恵

LPDDR6のもう一つの重要な特徴は、その優れた電力効率です。公開情報では「動的電力管理システムによって電力効率が従来製品と比べて21%向上」しているとされています。スマートフォンやノートPCにおいて、パフォーマンスの向上は常にバッテリー持続時間とのトレードオフでした。特にAI処理のように継続的に高い負荷がかかるタスクは、電力を大量に消費します。

LPDDR6の電力効率の向上は、AIや高負荷なタスクを実行しつつも、デバイスのバッテリー持続時間を犠牲にしない、あるいはむしろ向上させることを可能にします。これは、一日中AIアシスタントがバックグラウンドで動作し、ユーザーの行動を先読みしてサポートするような、真のスマートデバイス体験を実現するための基盤となる技術です。10.7Gbpsという速度と、21%の効率向上。この両立こそがLPDDR6の最大の価値でしょう。

Samsungの垂直統合戦略が示す未来

今回アワードを受賞したAM9C1、PM9E1、そしてLPDDR6。これら3つの製品に共通しているのは、基幹部品であるNAND(第8世代V-NAND)、コントローラー(Presto)、DRAM(LPDDR6)のすべてをSamsung自身が開発・製造しているという点です。AppleがMシリーズチップでCPU、GPU、AIエンジン、メモリを一つのパッケージに統合し、最適化することで圧倒的なパフォーマンスを引き出しているように、Samsungもまた、ストレージとメモリの世界で同様の垂直統合戦略を極めています。

自社でNANDを設計し、その特性を最もよく知る自社でコントローラーを最適化し、さらにそれらと連携するDRAM(LPDDR6)も自社で供給する。この強固なエコシステムが、PM9E1のような小型で超高速なSSDや、AM9C1のような高信頼性車載ストレージを生み出す原動力となっています。競合他社がNANDメーカーとコントローラーメーカーの協業で製品を開発するのとは対照的に、Samsungはすべてを内部で完結させることで、技術革新のスピードと製品の完成度を高めているのです。

これらの新技術が私たちのガジェットライフにもたらすもの

では、これらの新しい半導体技術は、具体的に私たちの生活をどう変えるのでしょうか。まず「AM9C1 E1.A」は、自動車の価値を「所有」から「利用」へとシフトさせ、ソフトウェアアップデートによって常に最新の機能を使える未来を加速させます。自動運転技術が進化するたびに車を買い替える必要がなくなり、ストレージのアップグレードで対応できる世界が来るかもしれません。

「PM9E1 M.2 22×42」は、ハンドヘルドPCや超薄型ノートPCのゲームチェンジャーとなります。これまでサイズや発熱の制約から妥協せざるを得なかったストレージ性能が、デスクトップのハイエンド機並みになるのです。これにより、AAAタイトルのゲームロード時間が劇的に短縮され、外出先でも快適なクリエイティブ作業が可能になるでしょう。

そして「LPDDR6」は、スマートフォンの「知能」を次のレベルへ引き上げます。オンデバイスAIがより賢く、より速く、より低消費電力で動作することで、私たちの生活に寄り添う真のパーソナルアシスタントが実現します。リアルタイムでの高精度な音声翻訳、カメラをかざすだけでの高度な画像認識、ユーザーの意図を汲み取ったプロアクティブな提案。これらすべてが、LPDDR6の高速・高効率なメモリによって支えられます。

まとめ

今回SamsungがCES 2026 Innovation Awardsで示した技術は、単なる部品の進化に留まりません。それは、車載、PC、モバイルという、私たちの生活に欠かせない3つの領域すべてにおいて、デバイスのあり方そのものを変革する可能性を秘めたものです。「AM9C1 E1.A」は車の長寿命化と進化する体験を、「PM9E1 M.2 22×42」は小型デバイスの性能限界の突破を、そして「LPDDR6」はオンデバイスAIの本格的な普及を、それぞれ強力に後押しします。これらの技術が2026年以降の製品に搭載され、私たちの日常に溶け込んでいくのが今から楽しみでなりません。

今回のポイント

  • AM9C1 E1.A: 交換可能なモジュール式を採用した車載用SSD。将来のアップグレードに対応します。
  • PM9E1 M.2 22×42: 超小型2242サイズでPCIe 5.0の限界に迫る14.8GB/sを実現。UMPCなどに最適です。
  • LPDDR6: 10.7Gbpsの超高速と21%の電力効率向上。オンデバイスAI時代の必須メモリとなるでしょう。
  • 共通点: 第8世代V-NANDや独自コントローラーなど、Samsungの垂直統合技術の結晶です。

結論

SamsungがCES 2026 Innovation Awardsで受賞したこれらの次世代ストレージとメモリは、2026年のガジェット業界のトレンドを占う上で非常に重要なマイルストーンです。特に、AM9C1の「モジュール式」という発想は、ハードウェアの進化が激しい現代において、サステナビリティと経済合理性を両立させる新しい答えの一つを示しています。また、PM9E1が実現した「小型と超高速の両立」は、デバイス設計の自由度を格段に高めるでしょう。2026年1月に開催されるCES本番で、これらの製品がどのようなデモンストレーションと共に披露されるのか、詳細な発表に期待が高まります。

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