DJI Avata 360:回転カメラがもたらす二刀流の衝撃

DJIのAvataシリーズは、これまでFPVドローンの代名詞として多くのパイロットを魅了してきました。そして2025年11月現在、最大の話題をさらっているのが「DJI Avata 360」です。このモデルは、物理的に回転するカメラモジュールを搭載し、360度全方位撮影と従来型の前方固定FPV撮影を一台で完璧に両立させるという、前代未聞のコンセプトを掲げています。単なる360度カメラ付きドローンではなく、クリエイターがその場で撮影スタイルを切り替えられる「二刀流」設計。これにより、没入感あふれる全方位映像と、スピード感あふれるレーススタイルの両方を、機体を着陸させることなく楽しめるようになります。入手した情報によると、カメラハウジングが90度回転するだけでモードが切り替わり、FPV時は低遅延の前方映像を、360度モードでは8K相当の球面映像を同時に記録可能。しかも全方向障害物センサーやデュアルLiDARを搭載しながら、重量を250g未満に抑えるという驚異的なバランスを実現しようとしている点が、業界関係者を最も興奮させています。この相反する要求をDJIがどうクリアしたのか、その全貌がまもなく明らかになります。
回転カメラモジュールが実現する真の二刀流
DJI Avata 360の最大の特徴は、何と言っても物理的に回転するカメラモジュールです。これまでの360度ドローンは、固定されたデュアルフィッシュアイレンズで全方位を撮影し、後処理でスティッチングしていましたが、FPVらしいスピード感や低遅延を求めるパイロットにとっては物足りないものでした。一方、従来のAvataシリーズは前方固定カメラで最高のレスポンスを実現していましたが、全方位撮影は不可能でした。
Avata 360はこの二つの世界を完全に融合させます。カメラユニットが機体正面に組み込まれた円筒形ハウジング内で90度回転することで、瞬時にモードを切り替える仕組みです。FPVモードではカメラが前方に向き、Avata 2と同等レベルの低遅延映像をゴーグルに送信。360度モードではカメラが横向きになり、上下左右360度の球面映像を記録します。この切り替えはリモコンまたはゴーグル上のボタン一つで可能で、飛行中に着陸することなく完結します。
この設計がもたらす最大のメリットは、クリエイティブの自由度が飛躍的に向上することです。例えば、山岳地帯をハイスピードで突っ切るFPVフライトを楽しみながら、突然モードを切り替えて周囲の絶景を360度で記録する、といった使い方が現実になります。これまでなら二台のドローンを携行する必要があったシーンが、一台で完結するのです。
回転機構の信頼性はどうか?
多くの人が心配しているのが、回転機構の耐久性です。FPVドローンは激しい衝撃を受けることも少なくありません。しかし、入手したプロモーション画像を確認すると、ハウジングは強化プラスチックと金属フレームでしっかり保護されており、回転部にはダンパー機構が組み込まれている様子が伺えます。DJIはこれまでジンバル技術で培ったノウハウを投入しており、回転時の振動やノイズも最小限に抑えられていると見られます。
重量250g未満の実現がもたらす革命
2025年現在、ドローン規制のキーワードは「250g未満」です。この重量クラスなら、多くの国で登録や試験が不要になり、気軽に飛ばせるようになります。Avata 2は約377gと、C1クラスに該当していましたが、Avata 360は大幅な軽量化に成功した模様です。
リークされたハードウェア画像を見ると、トップシェルが大幅に薄型化され、フレームも細く長いシルエットに変更されています。ダクトやモーターマウントも軽量素材に置き換えられ、バッテリー容量は抑えめながらも高効率化されているようです。全方向センサーやデュアルLiDARを搭載しながらこの重量を実現している点は、DJIの技術力の結晶と言えるでしょう。
軽量化の代償は?
もちろんトレードオフもあります。バッテリー容量が小さくなるため、飛行時間はAvata 2の約23分から18〜20分程度に短縮される可能性が高いです。しかし、250g未満の利便性を考えれば、多くのユーザーが納得する範囲でしょう。実際、Insta360 Antigravity A1も同様の重量クラスで成功しており、DJIも同じ路線を選んだ形です。
センサー類の充実がもたらす安全性和
Avata 360のもう一つの驚きは、センサー類の大幅強化です。従来のAvataシリーズは下方センサーのみでしたが、Avata 360は正面にビジョンセンサー×4+LiDAR×2、側面にもビジョンセンサーを搭載し、ほぼ完全な全方向障害物検知を実現しています。
これにより、360度モードでの自動追尾機能が劇的に進化。自転車や車両を追いかける際も、障害物を回避しながら安定して追従可能になります。
特に注目すべきはデュアルLiDARの採用です。暗所や悪天候下でも正確な距離測定が可能になり、夜間フライトや屋内での複雑な動きにも対応。FPVパイロットが最も恐れるクラッシュリスクを、大幅に低減してくれます。
実際の飛行フィーリングは?
現時点では実機を触れていませんが、スペックから推測すると、FPVモードではAvata 2とほぼ同等のレスポンスを維持しつつ、360度モードではよりスムーズなホバリングと追尾性能を発揮するはずです。DJIはこれまで「RockSteady」や「HorizonSteady」といった電子手ブレ補正技術を磨いてきましたが、Avata 360では物理回転と電子補正のハイブリッドで、どちらのモードでも最高峰の安定性を提供してくるでしょう。
8K相当の360度映像とFPV映像のクオリティ
カメラスペックも非常に魅力的です。360度モードでは、Insta360と共同開発したと噂される高解像度デュアルフィッシュアイレンズで、8K30fpsまたは5.7K60fpsの球面映像を記録可能。スティッチングもリアルタイムで行われ、DJI Mimoアプリで簡単にリフレーム編集ができます。
一方、FPVモードでは単眼カメラとして4K120fpsの低遅延映像を送信。Avata 2の155°超広角レンズを継承しつつ、歪み補正がさらに進化している模様です。色彩表現もDJIの強みであるD-Log Mに対応し、後編集の自由度が極めて高い仕上がりになっています。
映像の切り替えは本当にスムーズ?
最も気になるのが、モード切り替え時の映像の途切れです。入手した情報では、回転中に一瞬ブラックアウトするものの、0.5秒以内に復帰する設計とのこと。実用上ほとんど気にならないレベルで、むしろ切り替えの瞬間の映像がクリエイティブに使える可能性すらあります。
対応アクセサリーとエコシステムの拡張
Avata 360は、既存のAvataエコシステムをほぼそのまま引き継ぎます。DJI Goggles N3、Motion 3、RC Motion 3、RC 2など、最新のFPVコントローラーに対応。特にGoggles N3との組み合わせでは、360度モード時に視界全体を使った没入型体験が可能になります。
また、DJI Flyアプリとの連携も強化されており、360度映像のリフレームやエクスポートがさらに簡単に。Insta360 Studioのような専用ソフトも不要で、DJIのアプリ一つで完結する点が大きなアドバンテージです。
Insta360 Antigravity A1との徹底比較
最大のライバルは、2025年に登場したInsta360 Antigravity A1です。両者とも250g未満・360度+FPVの二刀流を掲げていますが、決定的な違いが三つあります。
まず、DJI Avata 360は物理回転式でFPV時の低遅延性能が圧倒的に優位。一方、Antigravity A1はソフトウェア処理で前方映像を切り出すため、遅延が大きくなります。
次に、DJIは全方向センサー+デュアルLiDARで自動追尾性能が段違い。Antigravity A1は基本的に手動飛行がメインです。
最後に、エコシステムの完成度。DJIはゴーグル・コントローラー・アプリのすべてが自社開発で統合されており、使い勝手が完全に上回ります。
結果として、スピード感とレースを楽しみたい本格派FPVパイロットは間違いなくAvata 360を選ぶでしょう。一方、Vlogや旅動画メインのライトユーザーはAntigravity A1でも十分かもしれません。
価格と発売スケジュール
現時点で最も信頼できる情報によると、DJI Avata 360の単体価格は約1,199ドル(日本では18万円前後)になる見込みです。Fly More Combo(バッテリー3本+充電ハブ+バッグ)で1,599ドル前後と予想。
発売は2025年12月中旬〜下旬が濃厚。FCC認証も既に取得済みで、米国での発売も確定しています。クリスマス商戦に間に合わせるため、DJIは異例のスピードで準備を進めている模様です。
実際に飛ばしたらどうなる?想像してみよう
想像してみてください。朝霧に包まれた森の中を、Avata 360で低空飛行。FPVモードで木々を縫うように突っ切り、突然回転スイッチを押す。視界が一瞬で360度に広がり、周囲の朝靄と木漏れ日が全方位から包み込む。ゴーグル越しに自分の周りを360度見回しながら、ドローンを上昇させていく感覚は、これまでのどの機体でも味わえなかった体験になるはずです。
あるいは、街中のスケートパークでトリック。FPVモードで高速スピンを決めながら、360度モードに切り替えて仲間全員をフレームに収める。編集では、まるで映画のようなダイナミックなカメラワークが自由自在に作れます。
この一台で、FPVパイロットとしての快感と、360度クリエイターとしての創造性を同時に満たせる。それがDJI Avata 360の本質です。
まとめ
DJI Avata 360は、単なる新製品ではなく、FPVドローンの歴史に新たな章を刻む革命機です。
主なポイントを整理するとこんな感じ
- 物理回転式カメラで、真の低遅延FPVと8K360度撮影を両立
- 全方向センサー+デュアルLiDARで最高峰の安全性
- 250g未満を実現しながら高性能を維持
- Insta360 Antigravity A1を完全に超える完成度
- 既存Avataエコシステムをそのまま使える拡張性
これまでのどのドローンも成し得なかった「二刀流」を、DJIはついに現実のものにしました。
結論
2025年を締めくくるにふさわしい、圧倒的な一台がやってきます。DJI Avata 360は、FPVの興奮と360度撮影の没入感を、一台で完全に満たしてくれる夢のようなドローンです。12月の発売が今から待ち遠しくて仕方ありません。あなたはどちらのモードを最初に試したいですか?ぜひコメントで教えてください。この革新を一緒に迎えましょう。


