
Xperia 1 VII:販売停止の最新情報と今後の見通し
はじめに
2025年6月5日に発売されたソニーの最新フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」は、卓越したカメラ性能、鮮やかなディスプレイ、高音質オーディオで注目を集めました。しかし、発売からわずか1ヶ月後の2025年7月4日、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの主要キャリアおよびソニーストアにおいて、電源関連の不具合により販売が一時停止されました。前回の記事では、この問題の背景やユーザーへの影響について解説しました。本記事では、2025年7月5日時点での最新情報、ユーザー報告、ソニーの対応状況を詳しくお伝えします。購入済みのユーザーや購入を検討している方にとって、最新の状況を把握するための参考になれば幸いです。
販売停止の現状:日本市場での継続
2025年7月5日現在、Xperia 1 VIIの販売は日本国内の全販路(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、ソニーストアのSIMフリーモデル)で停止が続いています。ソニーは、デバイスが使用中に突然電源が落ちる、再起動を繰り返す(再起動ループ)、または電源が入らないという問題が報告されたことを受け、7月4日に販売停止を発表しました。現時点で販売再開の具体的な時期は示されておらず、ソニーは原因の調査を進めている段階です。この措置は、問題の深刻さとユーザー体験への影響を考慮した結果と考えられます。なお、海外市場では同様の問題が報告されておらず、販売停止は日本市場に限定されています。
ソフトウェアアップデートの効果と課題
ソニーは、問題の一部を解決するため、2025年7月3日にソフトウェアアップデート(ビルド番号:71.0.A.2.43)をリリースしました。このアップデートは、主に「スリープモード中にまれに再起動する」問題を改善することを目的としています。しかし、販売停止が翌日に行われたことから、このアップデートがすべての不具合を解決できなかった可能性が高いです。ユーザー報告によると、アップデート適用後も再起動ループや電源が入らない問題が継続しているケースが確認されています。このため、ソニーはさらなる調査と対応を進めているとみられます。
ユーザーからの報告:不具合の広がり
ソーシャルメディアやオンラインフォーラムでは、Xperia 1 VIIの不具合に関する多くのユーザー報告が寄せられています。特に、X(旧Twitter)では、70件以上の再起動ループの報告があり、問題が広範囲に影響していることが伺えます。台湾からの情報では、過去1週間で10件以上の「電源が入らない」または「再起動ループ」のケースが報告されており、ユーザーはデバイスが使用不能になる「文鎮化」に悩まされています。
具体的なユーザー体験としては、以下のような報告があります:
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音楽再生中に突然シャットダウンし、再起動を繰り返す。
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スリープモードから復帰せず、電源ボタンを押しても反応がない。
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修理対応を受けたユーザーは、ソニーがメイン基板の交換を行っているケースが多い。
これらの報告は、問題が個体差によるものか、または全モデルに共通する根本的な欠陥によるものかを判断する上で重要な手がかりとなっています。
不具合の原因:ハードウェアとソフトウェアの可能性
不具合の原因については、ユーザーや専門家の間で様々な推測が飛び交っています。一部のユーザーは、Xperia 1 VIIの生産がこれまでのモデルと異なり、中国の工場で行われたことが影響している可能性を指摘しています。特に、高性能スマートフォンの高発熱環境下での生産ノウハウが不足していた場合、ハンダ不良や基板の熱による変形が原因で、デバイスが突然死する可能性があるとされています。この推測は、修理対応でメイン基板の交換が行われていることからも、ある程度裏付けられるかもしれません。
一方で、ソフトウェアの問題も疑われています。特に、日本市場向けモデルに搭載されているOsaifu-Keitai(モバイル決済システム)に関連する機能が、不具合の引き金になっている可能性が指摘されています。Xperia 1 VIでもAndroid 15へのアップデート後に同様の再起動問題が報告されており、ソフトウェアのバグが関与している可能性も否定できません。ソニーはこれらの推測に対し、公式な見解をまだ発表していませんが、原因特定に向けて調査を進めています。
ソニーの対応策:公式声明とユーザーへの推奨
ソニーは、公式ウェブサイトを通じて以下のような声明を発表しています:
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Xperia 1 VIIにおいて、電源が落ちる、再起動がかかる、電源が入らないといった事象がまれに発生することが判明。
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現在、原因調査を行っており、詳細が判明次第、対応策を案内予定。
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販売および出荷を一時停止し、ユーザーにはデータのバックアップを推奨。
不具合を経験しているユーザーに対し、ソニーは以下の手順を試すよう推奨しています:
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電源ボタンと音量アップボタンを20秒間同時に押し続けてデバイスを再起動。
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最新のソフトウェアアップデートを適用。
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問題が解決しない場合、ソニーのスマートフォン相談窓口または各キャリアのサポート窓口に連絡。
また、ソニーはユーザーに対し、データ損失を防ぐため、定期的なバックアップを強く推奨しています。修理対応では、メイン基板の交換が行われるケースが多く、データが初期化される可能性があるため、この点は特に重要です。
ユーザーへのアドバイス:対処法と注意点
購入済みのユーザー
すでにXperia 1 VIIを購入したユーザーは、まずWi-Fi環境下で十分なバッテリー残量を確保し、設定メニューから最新のソフトウェアアップデート(ビルド番号:71.0.A.2.43)を適用してください。アップデート後も問題が続く場合は、以下の手順を試してください:
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電源ボタンと音量アップボタンを20秒間同時押しして再起動。
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問題が解決しない場合、ソニーのスマートフォン相談窓口(またはキャリアのサポート窓口)に連絡し、修理または交換を依頼。
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修理前に、Googleアカウントや外部ストレージを使用してデータのバックアップを行う。
購入を検討しているユーザー
現時点では、販売再開まで購入を待つことをお勧めします。ソニーの公式ウェブサイトやキャリアの告知を定期的に確認し、不具合が解決されたことを確認してから購入を検討してください。問題がソフトウェアによるものであれば、アップデートで早期解決が期待されますが、ハードウェアの問題の場合、解決には時間がかかる可能性があります。
結論
Xperia 1 VIIの販売停止は、ソニーのフラッグシップモデルに対する高い期待を背景に、ユーザーや業界に大きな影響を与えています。7月3日のソフトウェアアップデートでは一部の問題改善が試みられましたが、販売停止が継続していることから、問題の全容はまだ解明されていません。ユーザー報告や推測からは、ハードウェアとソフトウェアの両面での課題が浮かび上がっており、ソニーの迅速な対応が求められます。購入済みのユーザーは、ソニーの推奨手順に従い、データのバックアップとサポートへの連絡を優先してください。購入を検討している方は、続報を待ち、問題解決を確認してから購入を進めるのが賢明です。ソニーがこの問題を迅速に解決し、Xperia 1 VIIが信頼性の高いデバイスとして市場に戻ることを期待します。


